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いよいよ、フィアット グランデ プントをベース車両として開発された「アバルト グランデ プント」とフィアット500をベース車両として開発された「アバルト500」を擁して、栄光のブランド「ABARTH」が復権することになった。一度失った権利や権力を回復することを意味する“復権”という言葉を使ったのには、もちろんワケがある。熱心なイタリア車フリークであることを自認する御仁は事の仔細をよくご存知だと思うが、釈迦に説法になることを承知で述べさせていただく。
筆者は1971年式なので、クルマに興味を持ちはじめた時分にはすでにアバルトはフィアット オートの傘下に入っていた。時が流れ、1971年に生まれたクルマ大好き人間が運転免許を取得した頃、現実的な予算でアバルトを買おうと思った場合にA112アバルトもしくはリトモ アバルトはまだまだ最良の選択だった。本当にギリギリのタイミングだったが、元気に走行できる個体が数多く現存していた。フィアット131アバルトは、すでに雲の上の存在だったように記憶しているが、今になって思うとリトモ アバルトを愛車候補の筆頭に挙げることができただけでも、それはそれで大変貴重な経験をさせてもらったと思うべきだろう(自動車の神様に感謝!)。
しかしアバルトに関して、そのように低予算で趣味性が高く、なおかつ刺激的なクルマ選びを楽しめたは'80年代の終わりぐらいが最後だった。というのも、初代プントのスポーティ仕様が「アバルト」を名乗るようになってから、少しずつ状況が変わっていってしまったからだ。つまり、アバルトに対する世間のイメージが過小評価方向に変化していってしまったといえ、別の言葉で説明すると、次第にアバルト=エアロパーツや専用アルミホイールや派手なインテリアでスポーティさを演出したグレードといった認識になってしまったわけである。
カルロ・アバルトが1949年に設立した「Abarth & C.」が、フィアット1100をベース車両とした204 A ロードスターでレース界にデビューしたエピソードなどを知っている方はアバルトの本質を熟知していたが、復権を願っているはずのフィアットが2代目プントにおいてもアバルトの名を冠しただけといえるスポーティグレードを再設定したこともあり、しばらくの間は状況が好転することはなかった。
エンブレムのサソリから少しばかり毒を抜いたような“アバルト・グレード”がフィアットからリリースされ、復権どころではない空気感がイタリア車フリークの胸中を支配していたが、冒頭でも述べたように、ようやく待ちに待った本気モードのアバルトがラインナップされた。今後はモータースポーツ・シーンでの活躍など、その活躍ぶりに期待したいと思う。
ちなみに、現在、筆者は11年前に購入した1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアと新車で買った2005年式フィアット・ムルティプラを愛用しているが、長い間、増車するならばランチアだと考えていた。新しいデルタも魅力的なのでランチア購入計画を簡単に捨て去るわけにはいかないが、ここ最近、アルファ/フィアット/アバルト体制でもイイかと真剣に思っている。本当はアルファ/フィアット/アバルト/ランチア体制を実現できたら最高だが、さすがに4台体制を達成・維持できる経済力は無いので、当面はアバルトを次期愛車候補の最右翼として頑張っていくつもりだ。
なお、アバルト グランデ プントとアバルト500のどちらにするかで悩むところだが、フラットノーズのジュニアと顔が普通になってからのムルティプラを所有する天の邪鬼としては、やはり、アバルト グランデ プントをチョイスするべきだろうと思っている。いつの日にか、外しの美学というキーワードで語れそうな3台を並べることができたら、早速、当ページで写真をアップしたい(!)。とりあえず、新生アバルトの広報車を借りて、その実力を試すことにしよう。
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