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山田弘樹のこだわりコラム

Vol.01 2006年のパリサロン 【2006/12/1】

 

 2006年のパリサロン。地元開催とあって、シトロエンやプジョーがかなりの力作を展示していましたが、何と言っても今回の目玉はアルファ・ロメオだったと言えるでしょう。
 そう、もうすでにみなさんもご存じかと思いますが、アルファ・ロメオ 8Cコンペティツィオーネが世界初お披露目されたのです。そして運良く自分は、アルファ&ロメオ誌の取材で8Cをこの目で眺め、そして室内に潜り込んでくることができました。

 8Cコンペティツィオーネ。このモデルは2003年の秋、フランクフルトショーでプロポーザルされ、その後の東京ショーにも現れたスーパーGTスポーツ。世界中の反応もかなり良く、市販も目前! といわれながら、アルファ・ロメオの業績不振や社長交代劇などで一度お蔵入りになるなど、紆余曲折を経た経緯があるモデルです。
 しかしながらその人気は根強く、かつアルファ自体もヴィラ・デステ(イタリアはコモ湖で行われるコンクール・デレガンス)にしつこく出展し続けるなどして、反響を確実に集め続けました。そして今回、やっと正式発売にこぎつけたわけです。

 そのアウトラインをざっと紹介すると、まず注目はその、誰にでもわかるスポーツカールック。これはマセラティの次期クーペモデル用といわれるコンポーネンツをベースに、アルファのデザインセンターである「チェントロ・スティーレ」がボディを作り直したものです。その造形は肉感的で、抑揚をまったく抑えようとしないラインは非常に魅力的ですが、とにかく驚くべきは、それらがドライカーボンで作られていることでした。
 というよりも、インパネやシートに至るまで、至る所が全てカーボンになっているのには正直驚きました。

 ワールドプレミア直前、まだブースの幕が降ろされる前のわずかな時間。実際にもぐりこんでみた8Cの室内は、なんとも言えないソリッド感と、コンフォート感に満ちた不思議な空間でした。さすがにここはプラスティックでしょう! と思ったセンターコンソールや、ダッシュボードのフェイシアまでもが全てドライカーボン。ステアリングの上部もドライカーボン。どこもかしこもドライカーボン。これはまるで、現代版GTAじゃないですか。実際走り出したときの室内共振は気になりますが、指先で各部をはじいたときに聞こえた「カチカチッ!」というサウンドには、思わずニンマリ。手抜き感が全くないのです。

 それでもリクライニング式のバケットシートにはポルトローナ・フラウのレザーが貼られていたりと、抑えるべき部分はきっちりと抑えてある。シートの座り心地はタイトかつ柔らかく、エンツォ・フェラーリのF1的な先進性とも違った、アルファにしかできないエロティックな柔らかさがありました。
 とにもかくにも、このスポーティでエレガントなボディワークこそが、8Cコンペティツィオーネのハイライトと言えるでしょう。

 ちなみにパワーユニットは、やはり次期マセラティGTのベースエンジンと言われている4.7・V型8気筒ユニット。最高出力は450PS/7000rpm、最大トルクは47.9kgm/4750rpm。レブリミットは7500rpmという数値を誇ります。
 シフトは6速シーケンシャル。当然足下は2ペダルでこれを操ります。シフトパドルはアルファ・ロメオのセレスピードとは違い、ステアリングコラムに直付けされたフェラーリのF1マチックタイプでした。

 同じグループの(次期)マセラティGTをベースに、アルファ流のボディとエンジンが与えられたGTカー。これが8Cコンペティツィオーネのアーキテクチャーです。冷めた目で見れば『未来への挑戦』というテーマはそこにはなく、非常に古典的なスーパースポーツということもできますが、いざ実際に走り出したとしたら、そんなネガティブもきっとどこかへ消えてしまうような気がします。
 なにより8Cは、ファンが待ち望んだ後輪駆動のアルファ・ロメオ(SZ以来ですね)。カーボンボディという割には結構かさばった1575kgという総重量も、重量物はほとんどがシャシーですから、上屋が軽く、かつ非常に低重心な走りが期待できると思います。
 ちなみに前後重量配分はほぼ50:50。450PSのFRを自由自在に操れたら……そりゃブッ飛びです。

 とはいえ消費税込みで2200万円というお値段もやっぱりブッ飛び!! 予約受付はすでに始まっており、その生産台数は世界限定500台。日本の枠はその1/10とも言われており、さらにはそれも確実に埋まってきているという話も聞きます。
 とにかくブッ飛びづくしな最後のスーパーカー、それが8Cコンペティツィオーネなのです。

 なんだよ、そんなの買えるわけないじゃん! そんな意見もごもっとも。……でもいいじゃないですか。これは買えるとか買えないとかいうシロモノじゃないんです。きっと。強いて言えば、夢を夢で終わらせなかったアルファ・ロメオよ、あんたはエライ! なモデルだと思うんです。
 そして、8Cのフルバケに座りながら僕はこうも思いました。2200万円も出して、フェラーリでもなく、ランボでもなく、アストンでもなく、こんな二人しか乗れない8Cを買うなんて、アルファが好きじゃなきゃできないよ……と。
 冷静に考えれば、普通は恋人や奥さんに、相当白い目で見られると思いますよ!? 2200万円の価値、わかってくれないどころか若いオナゴなどには「そんなお金あるんだったらアタシにマンション買いなさいよ!」って思われたり、「スポーツカー好き、キモ~い」と言われかねません。
 それは、きっとアルファ乗りにしかわからない気持ちなんです。スペックだけでは語れない、長く長く待った『本物のアルファのスポーツカー』に乗るということ。それがキャッチできなければ、8C乗ったって何の意味もない。
 そう思うのは、僕だけかなぁ。
 なんてやせ我慢しておきます。

Vol.02 デロンギのエスプレッソマシーンを買いました【2007/03/06】


 先日、デロンギのエスプレッソマシーンを買いました。フラットアウトからほど近い某電気店に別の用事で訪れたところ、エスプレッソマシーンの実演販売をやっており、まんまと術中にはまってしまった? というわけです。ちなみに僕が購入したマシーンは型式番号「BAR14N」というタイプで、あらかじめ挽いてあるコーヒー豆を使用するタイプ。
 全長×全幅×全高……じゃなかった高さ×幅×奥行き:295×190×215mmで本体重量が3.0kgと、割かしコンパクトなのが特徴です。ちなみにこのマシーンには「ミルク泡立て機」もついており、ミルクをごわわ~! っと蒸気でシェイクすれば、お店で出てくるような(のにちょっと似た。ようは、ここでテクが必要になります)カプチーノまで飲めるようになるわけです。
 でもってお値段は多分1万8000円程度のものが、1万円とお値打ち価格だったので、思わず手即買いしてしまったわけです。前から「仕事中にエスプレッソが飲めたらいーな~」と思っていたのもあるですけどね。
 あ! 仕事中にエスプレッソ~? 何気取ってやがんでぇ! って思ったでしょ!? まーまー。僕が今回おしゃべりしたかったのは、「エスプレッソってそんな大層なモノじゃなくて、もっと身近な飲み物なんですよ」ってことなんです。

 幸運なことに僕は仕事柄イタリアへ行くことが多かったために、むこうで飲むコーヒーといえば全てエスプレッソ。例えばバール(BAR。いわゆるバー。イタリアの喫茶店というか、お茶から軽食、お酒まで飲める)で「アイスコーヒー下さいペルファボーレ♪」なんて頼んだ日には、
「はぁ? アイスコーヒー? あぁ、カフェ・アメリカーノの冷たいヤツか、ふんプレーゴ!」てな感じで対応されます。最もこれがミラノとか中心部では、エスプレッソベースで甘くて美味しいアイスコーヒーを当たり前に作ってくれるんですけどね。
 話を元に戻すと、イタリア人はバールでしょっちゅう休憩してはエスプレッソを飲み、ベラベラベラっと会話をしてすぐに立ち去ってゆく。日本みたいに喫茶店へ行ったらずーっと長居をして、週刊誌や新聞なんて読みながらダラダラ過ごすというのではなくて、パッときてスカッと飲んでパッと出て行っちゃう。1回1回がすごく短いんですね。それで回数がすごく多い。
 それがすごく格好良くて、いーんですよ。日本も、あんな風にコーヒーを飲むようになればいいのにな。1杯1杯をすごく低価格にして、なおかつ長居できないように立ち飲みにすればいいんでしょうね。本格バールが沢山あれば楽しいのに。
 あ、また話がそれた。ともかくそんな生活をしていると、自然とエスプレッソが好きになるわけです。最初は量も少ないし、とにかく濃ゆ~い味わいなので慣れなかったんですけどね。

 ちなみにこのエスプレッソ、その濃ゆさゆえに、日本人にはすごく不気味に見えると思うのですが、通常のコーヒーと違って、フィルターなどを通さず短時間で抽出する(そのためにエスプレッソマシーンで圧力をかけるわけです)ために、お茶で言う「出がらし成分」が非常に少ない。かつ、うまみ成分の割合が高いんだそうです。豆自体も、深入りを前提とすることでカフェイン成分が飛んでしまうから、かなりヘルシーらしいのです。
 それと僕はイタリア人に「エスプレッソの成分は脂を溶かすから、食事どきにはかかせない飲み物なんだ。だって俺たちは沢山食べるだろ?」と教えてもらいました。確かにフルコースでイタリアンを食べたあとにエスプレッソを飲むと、スッキリします。でも、脂分を溶かすというわりにはあんた太ってるね……とも思いましたけど。
 あとは、今では大流行となったスタバのメニューだって、もとはエスプレッソのシアトル流な飲み方。キャラメルマキアートとかカフェラテとかね。そう考えると、実はすごくメジャーな側面もあるわけです。

 どうです? なんだか気軽に飲める飲み物のような気がしてきたでしょ? オレ、別にデロンギとかスタバの回し者じゃないんですけど、もっとエスプレッソが日本でメジャーになればいいな、とは思ってるわけです。

 アルファ・ロメオが好きで、イタリアに興味があって。僕もそこからエスプレッソに入ったんですけど、それでいーぢゃありませんか。ちなみに僕の好きな飲み方は「ドッピョ(ダブルのこと)」のストレート。でも、家で入れるとついつい水の分量が多くなってしまって、のっぺりした味になってしまうから、砂糖でごまかしてます(笑)。
 うまく煎れられるようになるまで特訓あるのみですね

Vol.03 トヨタ「ノア&ヴォクシー」の発表会【2007/07/10】


ちょっとブログさぼりすぎ! との声を受けまして、原稿再開。ほんとごめんなさい。さ、はりきっていってみましょー!!
さて先日、トヨタの「ノア&ヴォクシー」というミニバンの発表会に行ってきました。??? ここはアルファのブログでしょ? そんなことなんて聞いてないよ、と言われそうですが……それにはワケがあります。ちょっとだけお付き合い下さいね。

 さてそのヴォクシー、というか日本におけるミニバンは、全自動車販売台数の約1/4というとっても大きな市場を造っています。その中でも初代ノア&ヴォクシーは、約80万台という数字を打ち立てたミニバン界の4番バッター。それだけに今回2代目のフルモデルチェンジには、そうとう気合いが入っておりました。
とくにトヨタは、カミさんから「スポーツカー? 何考えてんのよッ! ミニバン買いなさいよ!!」とまくし立てられる世間のお父さんたちのハートをつかむために、ヴォクシーを「クールなミニバン」として徹底的にイメージ戦略。「これはとってもカッコいいミニバンなんですよ!」と声高にアピールしておりました。たとえばCMにおいては、これまでの反町隆史に加え、個性派俳優の浅野忠信、そしてBoowy世代のカリスマギタリストである布袋寅泰をも起用する気合いの入れよう。ちなみに後ろで流れるSEはT-REXの「20th century boy」。ここまでくると電通・博報堂どっちか知らないけど、あんたらやり過ぎでしょ! と思いますが、心優しき30代のオッサンたちに「ヴォクシー、かっこいいかも……」と言わせようと必死な感じでした。
ただし実際のクルマの方は、本当に超マジメな作り込みをしています。子供やおばあちゃんが乗り降りしやすいようにドアにはステップを追加してみたり、低い位置に手すりを用意したりと、バリアフリーが現実的な問題となっている我々には、かなりリアルな内容が満載。二列目シートをぐるりと回転させて、後ろで仲良くトランプなんかをやられた日には「運転してるオレはどーなるんだよ!」と、お父さんがグレてしまいそうですが、それ以外は実に家族思いなクルマになっていましたね。


 

 しかーし! そんな至れり尽くせりなミニバンが登場した一方で、「これで充分家族は満足できるのだ!」と、実にとんでもないミニバンを手に入れたお父さんもいます。前振りが長かったですが、今回の主役はこのオトーサンと、古い一台のミニバン。
それはなんと……1971年に造られたアルファ・ロメオのバンなんです。その名は「F11」といいます(ちなみにこの「F」というイニシャルはバンを意味しているようで、これがトラックになると「A」を頭に「A12」などとなるようです)。
搭載されるエンジンは、ワンキャブの1300cc。ジュリエッタやジュリアに搭載されていたアルファツインカム、伝統のDOHC4バルブユニットをフロントキャビン下に縦置きし、トランスミッションを介して前輪を駆動させるという無理やりなクルマであります。最高出力はたったの47.6PSで、お世辞にも速いとはいえません。いや、実際すんげー遅いそうです。
ボディサイズは全長×全幅×全高が4400×1800×2000mm。車重は約1400kg。クーラー? もちろんついてません。ナビ? 付けたらバッテリー上がっちゃいますよ。でも、大人がきっちり8人が乗れます。


 

 さてさて、もともと生粋のアルファ乗りであるこのオトーサンは、「F11の出物がある。しかもレストア済み」という話を聞いて、いてもたってもいられなくなりました。
そしていきなり「今からミニバン見に行くぞ!」と家族を連れて、現物を見に行ったというのでした(ちょっと脚色アリ)。
そんなツワモノお父さんと暮らしているファミリーですから、奥様もお子さんも「あらカワイー!」とひとめでF11が気に入ったとか入らなかったとか。めでたくF11君は、このご家族にひきとられていったというわけです。
そんな数奇な運命を辿るミニバンF11、実はその目で見ることができます。もうご存じの方も多いと思いますが、F11のオーナーとなったのは、箱根は仙石原にある「カフェ・ジュリア」のマスター、外舘さん。現在F11君はお店の前に造ったテントで、ちょっとした整備をウケながらひっそりと出番を待っています。僕も実際に動かしたわけではないですから、そこらへんは外舘さんに聞いていただくとして、ほんと可愛い、まっことアルファなミニバンなので、アルファが大好きなら一度見に行くことをお勧めします。でも「ウチもこれ欲しい!」と思っても、手に入れることは難しいでしょうけれど。

しかし、ノア/ヴォクシーもアルファ・ロメオF11も、お父さんが「家族とみんなで楽しくドライブしたい!」と思って買う気持ちは同じ。「どうせやるなら、こんぐらいロックンロールなのがいいよね!」と思うか、「やっぱ快適なのがいいですわ」と思うかは人それぞれですが、そこにはお父さんの愛がぎゅぎゅっと詰まっているわけです。
世のお母さんや子供たちには、その気持ちをわかってもらいたいものであります。

写真提供/カフェ ジュリア